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NoriyosiBlog

イカの行動生態を研究しているポスドクのブログです。 調査や研究のこぼれ話からポスドクの生き様などを紹介できればいいなぁ。

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研究意欲の変化

ドクターとってから3年が経とうとしている。

以前は行動生態学や進化生態学で名を上げる!
EvolutionやRoyal Society等の
高インパクトファクターの雑誌に乗るような研究をしてやる。
といったことを考えていたが、
ここ最近は、もちろんそんな野心は消えてはいないが、
もっとイカの基礎生態の研究を大事にすべきという思いが強くなっている。

つまり、進化を理解するためにイカを使おうと考えていたのが、
イカの進化を理解したいと考えるように変わってきた。

フィールド重視、イカ重視で
地に足が着いた研究をしたい。
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ラボワークには向かない

今週はDNA実験漬けの一週間。
結果はなかなかのものだが、ストレスが溜まる。
前々から気付いていたが、やはり自分はラボワークよりフィールドワークが好きだ。

ま、そうは言っても、フィールドに行くときは行くときでなんか憂鬱だったりするんだが。
何が違うのかといえば、仕事が終わった後だろうか。
ラボワークは疲れたの一言に尽きるが、
フィールドワークはそこに充実感、満足感がある。

足止め

遺伝子実験最後の工程にようやくたどり着き
本日は実験機材が置いてある他のキャンパスまで車で出向く。
しかし、実験設定の微妙な違いにより、結局本日は足止め。
変な水入りはストレスが溜まる。

そりゃあ、雪見だいふくチョコ味を買ってしまうのもしょうがないよ。
 

祝・DNA抽出成功

なんて書くと、DNA実験経験者は首をかしげることだろう。
こいつはなんで、誰でも普通は当たり前にできることを
大発見でもしたかのように喜んでいるのだろうと。

しかし、私にとってはとても大きな成果だったのだ。

学生のときにDNA実験をやって、散々な目にあってきた。
失敗が多すぎると、どうしてもネガティブになってしまう。
そして結局、大きな成果もあげることもなく、
学生時代のDNA実験は終わってしまった。
DNA実験でリベンジしたいという思いと同時に強い劣等感が未だに心の中にある。

新しい研究室はフィールド調査が中心で、DNA実験の準備は一からのスタート
予算のこともあるので、キャンペーンで安く売られているよく分からないDNA抽出キットを買うしかなかった。

中身は冷凍保存用の酵素とバッファーだけで、
これまで使ってきたキットと比べても圧倒的に使用する薬品の量が少ない
こんなもので、ちゃんとDNAが抽出できるのかが最初の不安だった。

次の不安は実際キットを使用して、抽出を試みてみた時。
ほんの少しの組織しか使ってないのに、すべての組織が溶解しなかったのだ。

こうなると、失敗経験の豊富な私は不安でいっぱいだ。
購入したキットを間違えたのかもしれない。
高くてもよく使われるようなキットを選ぶべきだったか。
それとも、いっそのこと、キットなんかに頼らず、
薬品からすべてそろえ、基本的なマニュアル抽出から始めるべきだったか。

分光光度計にDNAの収量が表示された瞬間、すべての不安が吹き飛んだ。
まだまだ、親子判定で結果が出るには道のりはあるが
これは大いなる最初の一歩。

調査雑感

今回の調査は私の指導教官の仕事で、
共同研究というよりヘルプという意味合いが強かったが、
久々に、かつての研究室のメンバーと再会できるというので喜んで参加した。

とにかく潜って、魚を捕まえて、ご飯を食べて、酒を飲んで、寝るを
繰り返す1週間の短期調査生活は非常に楽しかった。

しかし、それ以上にプラスになったのは
彼らと共に調査した時間が自分にとって強い刺激となったことであろう。

参加メンバーすべてが情熱を持って今を生きていた。
私の師匠も先輩も未だに熱く研究をしていたし、
同僚は今の仕事に命を燃やしていたし、
後輩も研究を楽しんでおり、高い向上心を持っていた。

自分はそんな姿にすぐにあてられるタイプであり、
まずは強い劣等感を抱いてしまう。

”自分はこんなんでいいのだろうか。まだ、いい成果もなんもないではないか。”

学振PDになってちょっとは変わるかと思ったが、人間簡単に性格は変わらないらしい。
だが、帰りのフェリーではそんな感情も
こっちも負けていられないという思いにちゃんと変わってくれていた。
これはいつものことで、燃えるまで一度心がダウンするのが面倒な点だが、
その分、思いは強く長続きするのがいいところなのかもしれない。
まあ、いずれにせよ、心が熱くなったわけだ。

なんだかんだいって研究生活は孤独なもので、
ほとんどが自分との戦いであり、周りの情況が見えにくい。
そういうこともあり、時間と共に論文を書くスピード等が落ちるなど、
油断をすると徐々に妥協するポイントが出てきてしまう。

これに対抗するには、学会参加などで
同年代の研究者の仕事を聞いたりして活を入れるのが普通だが、
身近な人間との再会がこれほど刺激になるとは思いもよらなかった。

そんな実りの多い調査だった。

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プロフィール

HN:
Norico
年齢:
44
HP:
性別:
非公開
誕生日:
1980/08/19
自己紹介:
イカの行動生態学を研究しているポスドクです。

研究テーマは繁殖行動の進化・・・
ざっくり書くと、どんな雄がモテるのか、メスはどんな雄が好きなのかということを研究してます。

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