今回の調査は私の指導教官の仕事で、
共同研究というよりヘルプという意味合いが強かったが、
久々に、かつての研究室のメンバーと再会できるというので喜んで参加した。
とにかく潜って、魚を捕まえて、ご飯を食べて、酒を飲んで、寝るを
繰り返す1週間の短期調査生活は非常に楽しかった。
しかし、それ以上にプラスになったのは
彼らと共に調査した時間が自分にとって強い刺激となったことであろう。
参加メンバーすべてが情熱を持って今を生きていた。
私の師匠も先輩も未だに熱く研究をしていたし、
同僚は今の仕事に命を燃やしていたし、
後輩も研究を楽しんでおり、高い向上心を持っていた。
自分はそんな姿にすぐにあてられるタイプであり、
まずは強い劣等感を抱いてしまう。
”自分はこんなんでいいのだろうか。まだ、いい成果もなんもないではないか。”
学振PDになってちょっとは変わるかと思ったが、人間簡単に性格は変わらないらしい。
だが、帰りのフェリーではそんな感情も
こっちも負けていられないという思いにちゃんと変わってくれていた。
これはいつものことで、燃えるまで一度心がダウンするのが面倒な点だが、
その分、思いは強く長続きするのがいいところなのかもしれない。
まあ、いずれにせよ、心が熱くなったわけだ。
なんだかんだいって研究生活は孤独なもので、
ほとんどが自分との戦いであり、周りの情況が見えにくい。
そういうこともあり、時間と共に論文を書くスピード等が落ちるなど、
油断をすると徐々に妥協するポイントが出てきてしまう。
これに対抗するには、学会参加などで
同年代の研究者の仕事を聞いたりして活を入れるのが普通だが、
身近な人間との再会がこれほど刺激になるとは思いもよらなかった。
そんな実りの多い調査だった。
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