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NoriyosiBlog

イカの行動生態を研究しているポスドクのブログです。 調査や研究のこぼれ話からポスドクの生き様などを紹介できればいいなぁ。

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捕食に関する2本の論文

二つの論文がパブリッシュされた。

一つ目は
Sato, N., F. Takeshita, E. Fujiwara & T. Kasugai. 2016
Japanese pygmy squid (Idiosepius paradoxus) use ink for predation as well as for defence.
Marine Biology, 163


これまでイカの墨は捕食者防御のために使われると思われてきたが、
捕食の際にも墨を利用していることを示した論文。

二つ目は
Takeshita, F. & N. Sato. 2016
Adaptive sex-specific cognitive bias in predation behaviours of Japanese pygmy squid.
Ethology, 122: 236-244.


ヒメイカの雌雄間で捕食行動に認識の違いがある事を発見した論文。
繁殖のためにより栄養を必要とする雌は雄より攻撃的に餌を取ろうとし、
捕食成功率の低い大きい餌でも最初は果敢にアタックする。
ただ、失敗した後は、その判断は慎重になる。
一方の雄は攻撃するかどうかの判断は最初から慎重だった。

ワンシーズンの実験で二つのネタが出来たのは
なんといっても共著者のT君のおかげである。

そして一つ目は海外ではあるがニュースサイトにも取り上げられた。
相手が多とはメールでやり取りをしていたのだが、
急に電話でインタビューをすると言われた時は
未だに英語が不得意な私は本当に焦った。

そんなわけだから、「英語が不得意なので返事が遅くなったらごめんね」なんて返答したら、
「じゃあ、インタビューはメールでやろう」とあっさり返された。
それはそれで情けない話だ。

その事を同居人に話したら「チキンだ」と茶化された。
マーティーだったらブチ切れるところだが、
まったくもってその通りで返す言葉もなかった。
相変わらず締まらない結末である。
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今年の最後っ屁のために奮闘中

ここ最近はコンスタントに論文をパブリッシュできていた。

今年も3本の論文が出たのでそこそこ安心していたのだが、
投稿ということで考えると、実は今年はまだ一本しか投稿していない。

これはいかんですよ。
そんなわけで、今年中にもう一本ぶちかませるように急ピッチで作成中。
急ピッチなんで素早く書きたいんだけど、いまいちスピードが上がらない。

論文は書けば書くほど、書き上げるスピードが上がると言われている。
自分も結構論文を書いてきたんで、一本目に比べたら大分早くなったのは分かるが、
ここ最近はどうやら頭打ちになった気がする。

ただ、これが最高速かと言えば、そういうわけでもないとは思っている。
だいたい時間がとられているのがイントロとディスカッション。
ここでの文章を練り上げる時間や適切な英文を作り上げる時間はもっと短縮できるはず。

レベルアップにはもっと基礎知識が必要なのかも。
つまりは論文の読み込みだ。
あ~、俺の一番苦手な奴じゃないか。

でも、もうちょっとさくっと文章を書きたいんだ。

これで海鳥研究者卒業です。

最後の海鳥混獲論文がアクセプトされた。
これで、前職の仕事の分も無事に吐き出すことができた。

マイナーリビジョンだったのですぐにアクセプト通知がくるかと思っていたが、
オンラインステータスをチェックしても、
Evaluating Recommendationのままずっと変わらず1か月半が経過。

別に今すぐに業績を上げる必要はなかったので、
ゆっくり待ってもよかったのだが、
こういうのがあると、なんか気になるんだよね。

というわけで、編集長にメールしたところ
ごめんごめん、いろいろ忙しく、処理し忘れていたとの回答が。
ああ、そういうもんなんだ。

さて、これでようやく本業に集中できる。
最近は論文書きに身が入ってなかったら、いい刺激になるかな。

パブリッシュのお知らせ

フィールド調査がひと段落したので
ようやく長崎でちょっと落ち着けるようになった。

で、いろいろとバタバタしていた間に論文が2本、パブリッシュされた。

そのうち一本はアクセプトのお知らせしかしていなかったので、
ちゃんと宣伝しときましょ。

Sato, Noriyosi, Takashi Kasugai, and Hiroyuki Munehara.
 "Spermatangium formation and sperm discharge in the Japanese pygmy squid Idiosepius paradoxus." Zoology (2014) 117:192-199.

イカの繁殖は交接という様式で、簡単に言うと
精子のカプセル(精夾という)を受け渡す形なのだが、
カプセル内の精子がどのようにメスに移送され、貯蔵されるか未だに謎が多い。
今回の論文はヒメイカの精夾の特徴を記載するとともに、
メスに受け渡された後に精夾から飛び出した精子塊の状態、
どのくらいの間貯蔵されるか、精子を放出するかについて調べたものだ。

まぁ、面白い内容ではないが、
イカの精子貯蔵についてのそれなりに重要な知見だとは思う。

これを足掛かりに、いろいろとやっていきたい。

学生時代の重石がようやく取れました

今年一発目のアクセプト来たんご。

内容はヒメイカの精子塊形成とそこからの精子放出についての研究。
これで学生時代の研究内容をすべて放出することが出来た。
少し肩の荷が下りた感じ。

博士論文は出し逃げのようなもので、とても人様にお見せできるようなものじゃない。
といって差し替える事は不可能なわけで。
自分に出来るのはもう博士論文のネタを余すとこなくパブリッシュすることだと
卒業の時に誓ったのだった。

博士論文で提出した、業績についての書類には
これから載せる雑誌の目標を書いていたのだが、

貯精嚢の構造 → J. Zool.
精夾、精子塊、精子放出の観察 → Mar. Biol.
口伸ばし行動の観察 → MEPS
CFCによる小型雄選好 → Evolution

・・・なんて書かれてあった。

実際には一番最初以外目標達成できず、
上からZoology、Mar.Biol.、Evol.Biol.というようにランクダウンしたわけだが、
まぁ、一番のネタは振るわなかったものの、そこそこの雑誌にはいけたような気がする。

お次は前の職場のネタを放出する番だなぁ

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プロフィール

HN:
Norico
年齢:
44
HP:
性別:
非公開
誕生日:
1980/08/19
自己紹介:
イカの行動生態学を研究しているポスドクです。

研究テーマは繁殖行動の進化・・・
ざっくり書くと、どんな雄がモテるのか、メスはどんな雄が好きなのかということを研究してます。

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