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NoriyosiBlog

イカの行動生態を研究しているポスドクのブログです。 調査や研究のこぼれ話からポスドクの生き様などを紹介できればいいなぁ。

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今年一発目のアクセプトだ!

Sato, N., M.-A. Yoshida, E. Fujiwara & T. Kasugai. (in press) High-speed camera observations of copulatory behaviour in Idiosepius paradoxus : function of the dimorphic hectocotyli.
Journal of Molluscan Studies

イカは交接の際、雄が精子の詰まったカプセル:精夾を雌に受け渡す。
この精夾を掴むために多くのイカは吸盤が無かったり、
逆にヒダヒダが付いていたりする特殊な腕:交接腕を持っている。

ヒメイカはイカの中でも特別で、
形の異なる種類の交接腕を持っているのだが、
なんでこんなものを持っているのか分からなかった。

それを解決したのが、スーパースロー映像である。
スーパースロー映像を撮影できる、高性能のハイスピードカメラを使用できるのは
本当にたまたまで、この研究は棚ぼたのようなもの。
共著者のFさんとの出会いが無かったら、
今回の発見も生まれていなかった。

交接時に精夾から精夾反応がおこり、精子塊が飛び出る。
そして、それはたいてい一瞬で行われるか、
10本の腕に隠れて見えないか、
そもそも飼育が難しくて、観察どころではないか。

頭足類の精子の受け渡しは複雑怪奇だが、
その様子を正確に捉えた例はほとんど無い。

短報ではあるが、ヒメイカのみならず、
頭足類全般の繁殖生態に影響を及ぼすなかなかいい結果だと思う。
パブリッシュが楽しみだ。
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プロフィール

HN:
Norico
年齢:
44
HP:
性別:
非公開
誕生日:
1980/08/19
自己紹介:
イカの行動生態学を研究しているポスドクです。

研究テーマは繁殖行動の進化・・・
ざっくり書くと、どんな雄がモテるのか、メスはどんな雄が好きなのかということを研究してます。

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