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NoriyosiBlog

イカの行動生態を研究しているポスドクのブログです。 調査や研究のこぼれ話からポスドクの生き様などを紹介できればいいなぁ。

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人の論文でモヤモヤする小さい人間なのです

お昼くらいからかな。
同僚から「こんな論文見つけたんですけど」と教えられ彼のディスプレイを見てみるとこんな論文が

Spermatophore consumption in a cephalopod

内容はミミイカダマシというイカのメスはオスから渡された精子を食べているよという論文。
まぁ、もろに自分のネタと被っており、さらに言えば昨日投稿した内容もそういう内容なわけですよ。
同僚は親切にも今投稿中の論文に影響するのではないかと心配して教えてくれたということ。

まぁネタ的には正直被っていないのでそっちの心配はないが、この論文を見て別の理由で心は揺れた。
実は、この論文の著者は数ヶ月前、Behavioral Ecologyにも似た内容の論文を出している。

Strategic male mate choice minimizes ejaculate consumption

こっちは雄は精子を食べるからその行為に対して、
それぞれの性がどのように戦略的に交接しているのかという内容。
正直、あんまり面白い内容ではなかったが、それよりなにより先人たる自分の論文を引用していないことにがっかりしたのを覚えている。
まぁ、自分の論文が出たのは一年以内だったので、無理もないのだが。

それで、今回は精子を食べているという内容でBiology Lettersだ。
おそらく順番的には今回のネタのほうが先発だったのかもしれないが、
これを見て、自分のネタもBiology Lettersに載せれた可能性があると思うと
なんかモヤモヤするのである。

そんなことを同僚にグチってたら、
「Biology Lettersは短報ですし、制約も大きいですから、いいことばかりじゃないですよ」
と慰められた。
年下なのに、いつも大人の対応で、アタシ恥ずかしい。

ところで今回の著者の一人だが、昨年に違う種のダンゴイカでBiology Lettersから出た論文にも名を連ねている。

The energetic cost of mating in a promiscuous cephalopod

イカ研究者では聞いたことない名前の人なので
最近、精力的にこれらのイカに目をつけたのだろうか。
ダンゴイカの仲間は普段は土に潜っており実はほとんど動かないので、
水槽に激突する心配もないし、餌も魚の切り身を置いておけば食べてくれるので
飼育がしやすいイカである。

これから論文が量産されそうな気がするが、それにしても聞いたことある名前だなと思っていたら、
自分が輪読会で担当となっている章の著者だった。
こんなところで、妙なつながりを感じるとは。
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プロフィール

HN:
Norico
年齢:
44
HP:
性別:
非公開
誕生日:
1980/08/19
自己紹介:
イカの行動生態学を研究しているポスドクです。

研究テーマは繁殖行動の進化・・・
ざっくり書くと、どんな雄がモテるのか、メスはどんな雄が好きなのかということを研究してます。

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