昨年春からやってきた輪読会が本日終了。
Behavioural Responses to a Changing World: Mechanisms and Consequences
人間による気候変動、いわゆる温暖化や
その他の人為改変によって動物の行動がどのように変わり、
その結果、個体群にどのような影響があるのかについてまとめたのがこの内容。
繁殖や回遊、摂餌といった17章の様々な分野に分かれており、
様々な環境の変動がそれぞれの行動に変化を与えている例が紹介されている。
ただ、全編通して、各章の筆者が言っているのは可能性を示すことはできるが、
最終的に行動の変化が、個体群成長に影響を与えているかを示せた研究例がとても少なく、
実際のところはわからない、といったことだ。
残念なところはほかにもあり、
各章の筆者もそれぞれの分野の専門家が急いでまとめた感じで、構成が甘いところが多々あった。
また、各章のページ数が少ないのはいいのだが、
引用した論文の内容について説明をざっくり削ってしまったため、わかりにくく、
図も少ないので、元論文を確認することが必須である。
そんなマイナスもあったが、なかなか考えさせる本だった(助成金獲得のアイデア的に)。
ただ、ポスドク以上は満足感が得られたが、学生には厳しい内容だった。
次の本は、学生のことを考えてもっと基本的な本にすべきだろうなぁ。
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