忍者ブログ

NoriyosiBlog

イカの行動生態を研究しているポスドクのブログです。 調査や研究のこぼれ話からポスドクの生き様などを紹介できればいいなぁ。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ダイオウイカの巨大な目

日曜にはダイオウイカの番組がはじまるので、
今日はダイオウイカの論文でも紹介しましょかね。

A Unique Advantage for Giant Eyes in Giant Squid

ダイオウイカは直径30cmにもなる巨大な目を持っている。
同じサイズのメカジキやもっとでかいクジラなどの目はもっと小さく、
相対的に異常にでかい目ということらしい。

でかい目を作るのはコストになるのになんでこんな目をしているの?
っていうのを、深海での暗さ、目の大きさと視界の広さなどのモデルを
いろいろ使って、計算だけで検討してみた画期的な研究。

詳しい話は端折りますが
でかい目は餌(小さいターゲット)ではなく、
深海で捕食者のクジラ(巨大なターゲット)を見つけるのに
効果を発揮しそうだという結論。

でかい目は本当にコストなのか?とか、
クジラを見つけてもすぐに逃げられるのか?とか、
そもそもマッコウクジラの胃内容のほとんどはダイオウイカではなく、
他の外洋性イカなので、捕食圧がそれほど高いとは思えないとか、
いろいろ前提条件が無理矢理なので、
きれいな結果だけど、これが本当かどうかは正直微妙。

ただ、ダイオウイカの巨大な目に注目し、
そして計算だけでそれらしい結論にたどり着いた結果、
Current Biologyにのったのは賞賛に値するのではないだろうか。
 
PR

発見(遅いバージョン)

発見のタイミングはいつになるか分からない。

最近、思うところあって、昔採集したサンプルの形態を
いろいろと計測している。

まだごくごくわずかのサンプルを計測しているだけなのだが、
結果も出そろってないうちからこれをどうまとめようかと悩む。

んで、論文をいろいろ調べていったら、
別段、面白いと思っていなかった自分としては当たり前のことが、
このイカ特有のものくさいことに気付く。

こんなことなら、もっと前からやっとくべきだったとも思うが、
いろいろ経験した今だからたどり着いた気もする。

ただ、今後の展開として、
よく調べたら実は類似論文が山ほど出てくるケースが多いので
まだまだ油断は出来ないのだが。

こういうことを思えるのも経験を積んだからだろうか。

最近のCFCの動向

Cryptic Female Choice(CFC)で論文を検索すると
350件くらいヒットするのだが、
一つ一つチェックすると、CFCの可能性があるという程度の研究がとても多い。
CFCについてしっかり検証している論文は2割あるかどうかだなぁ。

でも気になるのはそんな内容でも2000年代前半はいい雑誌
(EvolutionとかRoyal Society、American Naturalist)とかにばんばん載っていたのだが、
最近は数こそ出ているものの、マイナーな雑誌の論文が多くを占めていることだ。

さて、これをどう見るか。
旬は過ぎたのは間違いないが、
研究がやり尽くされて旬を過ぎたわけではない。
それよりも、CFCは難しいから手を出さない結果だと思う。
そういうわけで、おいしいところはまだまだあるのは実感している。
だがしかし、論文を出したとして、EvolutionとかがCFCに食いついてくれるのかが怖い。

そんなことを考えたりして、検索をしてはインパクトファクターを調べるってなことを
繰り返していたら、あっというまに時間は過ぎて、
本日も論文書きは進まないのであった。

研究の魅力

子供のころはジャングルを探検するインディージョーンズのような人に憧れた。

これまで地球上の誰も知らなかった場所や生物を発見する
探検家は最高にかっこいい職業だと思っていた。

しかし、地球上で研究が進むにつれ、
そんな場所や生物がいるような未知の世界はどんどん失われている。
今では深海か宇宙くらいのものだろう。

しかし、身近な動物がビックリするような生態を持っていることはまだまだある。
危険なジャングルなどに行かなくてもじっくり観察したり、
実験するだけで、誰も知らない大発見をするチャンスはいくらでもある。

研究者はそういう意味でかつての探険家の魅力を持っていると思う。

何かと話題のダイオウイカ

ネットが異常に重い。
キャッシュを消しても効果なし。
冬休み中のちびっこがネットに夢中なのかしら。

世界初・ダイオウイカの深海映像撮影に成功

お昼ごろ周りの人から教えてもらったこのニュース。
ダイオウイカは相変わらず人気だなぁ。
前に、ダイオウイカを捕獲した時も、
日本よりもイギリスの方が話題になったという話をきいたが。
いやいや、日本でも十分話題になっている。

この影響で、世界最小のイカにもスポットが当たらないかなぁ。
当たったところで、何もないだろうけど。

カレンダー

09 2024/10 11
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

プロフィール

HN:
Norico
年齢:
44
HP:
性別:
非公開
誕生日:
1980/08/19
自己紹介:
イカの行動生態学を研究しているポスドクです。

研究テーマは繁殖行動の進化・・・
ざっくり書くと、どんな雄がモテるのか、メスはどんな雄が好きなのかということを研究してます。

バーコード

ブログ内検索

忍者アナライズ