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NoriyosiBlog

イカの行動生態を研究しているポスドクのブログです。 調査や研究のこぼれ話からポスドクの生き様などを紹介できればいいなぁ。

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のったときはすごいんだけどね。

論文紹介が終わったと思ったのも束の間、
明日には来週末の研究集会の発表練習が。

ネタは目新しいものではないので、
以前発表した時のプレゼンファイルを弄ればいいだけなのだが、
一から作るより、既存の発表を修正する時のほうが、気持ちがのらない。

そういう時ってネットサーフィンをしがち。
5分おきに、ニュースを更新したりね。
そして、今日は休日だから、大して更新もされない。
でも、仕事はしたくない。
そうこうしている間に、一日が終わる。
仕事は終わらない。

明日から本気出す。
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やめられない、とまらない。

今日のゼミで紹介した論文

Biting off more than you can chew: sexual selection on the free amino acid composition of the spermatophylax in decorated crickets


コオロギの仲間は交尾の時に、
雄が雌に精子の詰まった袋とゼリー物質の2つを受け渡す。
雌はまず、ゼリー物質を食べる。
ゼリーを食べている間、精子袋内の精子が雌の体内に移送、貯蔵される。

しかし、雌はたまにこのゼリー物質を食べるのをやめ、
おまけに、精子袋を捨ててしまう。
こうなったら、雄の精子はほとんど雌に受け取ってもらえず、
折角の交尾が無駄になってしまう。
つまり、雄はメスにゼリーを食べ続けさせることができなければ、
繁殖成功が下がってしまうわけだ。

著者らはこのゼリー物質の味が雌が食べ続けるか、
それとも途中で食べるのを止めてしまうか、の決め手になっているのではないかと考え、
雌が食べ続けたゼリーと、途中で捨てられてしまったゼリーの味(アミノ酸組成)を調べた。
すると、その結果は、少々複雑な解析を行っていたものの、
食べ続けるかどうかは味覚や食感の違いと関係していたのだった。

昆虫のいくつかの仲間では、
交尾してもらうために雌に雄がプレゼントを行うものがいる(婚姻贈呈)。
従来の研究では、その量や栄養が雌にとって直接的な利益になると言われてきた。
しかし、本研究のこのゼリーは栄養なんてほとんど無いらしい。
いわばスナック菓子みたいなもの
美味しいプレゼントを雌が選んでも、雌には生存上のプラスにはならない。
このため、この種における婚姻贈呈の進化は
雄が雌が好きな味覚に便乗し、美味しいゼリーを渡すことによって、
雌を操作するという経路を辿っていると考えられ、
これを"Candymaker hypothesis"というそうだ。

・・・しゃれた名前の仮説ですね。
要するにだ。料理が上手い男が勝ちってこと。


TENGA万歳

ちょっと前、Webで話題になったTENGA賞。

男性のオナニーライフを支える、あのTENGAが、
性に関する研究に対してサポートを行うという、画期的な助成金だ。
さらに、画期的なのは副賞としてTENGAが貰えるとのこと。
これはもう、受けるしかない。

そう思い、申請をしてから2ヶ月強が経過した。
昨日、突然、助成金の申請元であるリバネスから電話がかかって来た。
メールではなく電話ですよ。奥さん。

これはもらったかと逸る心を抑え、
よくよく電話を聞くと、

メールが届かなかったので、直接不採択をお知らせしたとのこと。

がっかり。
そう肩を落とす俺に、担当者はこう続けた。
「TENGAさんの方から、今回の助成に応募してくれた方のうち、
希望者全員にTENGA商品を贈りたいとの申し出がありました。」

TENGAさん、あんた神様や。


今年一発目のアクセプトだ!

Sato, N., M.-A. Yoshida, E. Fujiwara & T. Kasugai. (in press) High-speed camera observations of copulatory behaviour in Idiosepius paradoxus : function of the dimorphic hectocotyli.
Journal of Molluscan Studies

イカは交接の際、雄が精子の詰まったカプセル:精夾を雌に受け渡す。
この精夾を掴むために多くのイカは吸盤が無かったり、
逆にヒダヒダが付いていたりする特殊な腕:交接腕を持っている。

ヒメイカはイカの中でも特別で、
形の異なる種類の交接腕を持っているのだが、
なんでこんなものを持っているのか分からなかった。

それを解決したのが、スーパースロー映像である。
スーパースロー映像を撮影できる、高性能のハイスピードカメラを使用できるのは
本当にたまたまで、この研究は棚ぼたのようなもの。
共著者のFさんとの出会いが無かったら、
今回の発見も生まれていなかった。

交接時に精夾から精夾反応がおこり、精子塊が飛び出る。
そして、それはたいてい一瞬で行われるか、
10本の腕に隠れて見えないか、
そもそも飼育が難しくて、観察どころではないか。

頭足類の精子の受け渡しは複雑怪奇だが、
その様子を正確に捉えた例はほとんど無い。

短報ではあるが、ヒメイカのみならず、
頭足類全般の繁殖生態に影響を及ぼすなかなかいい結果だと思う。
パブリッシュが楽しみだ。

修論発表でモヤモヤ

朝のスタートをしくじると、
仕事が進まなくなるのは俺だけではないはず。

本日は修士論文発表。
うちの研究室には修士2年生がいないので、
今日の今日までその存在をすっかり忘れていた。
別に、出なくてもいいのだけれど、
この学部の雰囲気を見るために、少しだけ参加。

そして、後悔。

面白い研究が無い。
分野が違うとはいえ、もともとは水産畑なので、
水産関係の研究発表はいろいろと聞いてきた。
その点からしても、重要性、面白さ共に酷いものだった。
簡単にいえば、研究内容のレベルが修士のものとは思えないということ。
こないだの卒論生の中間発表の方がまだ面白かった気がする。
たぶん、研究が好きじゃないんだろう。
言われたことだけやりました感が、発表後の質疑応答からも漂う。
軽く質問するとしどろもどろになったので、適当に切り上げる。

そんなものに時間をとられた後での仕事は
まー、実に入らないね。

と、自分のやる気を人のせいにする性格の悪さからか、
自分は昔、修論発表も博論発表も質疑応答でボコボコにされました。

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プロフィール

HN:
Norico
年齢:
44
HP:
性別:
非公開
誕生日:
1980/08/19
自己紹介:
イカの行動生態学を研究しているポスドクです。

研究テーマは繁殖行動の進化・・・
ざっくり書くと、どんな雄がモテるのか、メスはどんな雄が好きなのかということを研究してます。

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