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NoriyosiBlog

イカの行動生態を研究しているポスドクのブログです。 調査や研究のこぼれ話からポスドクの生き様などを紹介できればいいなぁ。

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久々

6月、7月と時間はあっという間に過ぎ去り、
イギリスに帰る8月に突入してしまった。

こう更新が滞ることになったのはもちろん調査が上手くいっていないから。
イカはいるんだけど、こんなにも繁殖行動が見られないものだとは思っていなかった。
求愛行動は結構頻繁に起こるんだけど、その後の交接、そして産卵に全く発展しない。
それどころか、簡単に集められるだろうと高をくくっていた卵塊も
まったく見つけることが出来ない。
対象とは違うイカの卵塊はそこらじゅうにあるのがまたいらっとするところ。

これは俺のフィールド運が悪いというより、下準備が不足していたのが大きいのだろう。
イカがいるという情報と施設利用料の安さに引っ張られてここを選んだのだが、
透明度の悪さや繁殖個体の情報も加味してもうちょっと下調べするべきだった。

フィールド観察の難しさや重要性を再認識できたと思うしかない。
多少透明度が悪くてもヒメイカでは何とかなっていたし、
卵塊なんて苦も無く見つけることが出来た。
こんな今まで簡単と思われていたことも、対象や目的が変わるとここまで違うとは。
一個体ずつ探すだけのヒメイカでは問題ない透明度でも、
アオリイカの群れの観察では話にならないレベルになる。

まぁ、それでも色鮮やかに体色を変える様子を見るのは新鮮な光景だ。
残り少ないパナマライフを満喫するしかない。
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スミソニアン熱帯研究所 ボカスデルトロ実験所

食堂、宿泊施設共にとても綺麗で
事務員、スタッフの人数もとても多く過ごしやすいのだが
何かする際の手続きが非常に面倒くさい。

そもそも最初にここを利用する際の手続きからしてややこしかった。
ウェブ申込みでこの実験所で行う研究内容を詳細に書いた書類を
実験所とパナマの水産資源庁に提出しなければならなかった。
しかもこのうち政府に提出した方はスペイン語指定。
必要なサンプルについても採集方法から数まできっちりチェックが入る。

でここに来たら来たで薬品の使用についての書類を提出
ちょっと遠くのフィールドにいくにはそれ用の書類をそのたびに提出ととても面倒。

そして、最近は潜水許可の申請方法について担当機関に聞いたのだが予想以上の手間だった。
潜水機材の保証書に、直近12回のダイブログ、医師の健康証明書等と提出書類がとても多い。
まさかパナマで、医師やダイブショップに行くはめになるとは思わなかった。

海外の実験所ってみんなこんな感じなのだろうか?

フィールド探索

施設の中には様々な鳥や爬虫類がたくさんいて、
ふと近くの花を見ると、ハチドリが飛んでいたり、
近くの池を見ると、大きなトサカの見たことないトカゲが佇んでいたり。

陸上はそんな抜群な環境なんだけど、水中の方は…
思った以上に濁りがあるのよ。
イカの野外観察には正直きついレベル。

で、常駐している学生に話を聞いてみた。
いつもこんな感じという回答にがっくり。

で、この先どうしようかと悩んでいると、
フィールド担当のスタッフに出会ったので、彼にも同じ質問をしてみる。
すると、雨が降ったので、とても悪いが、すぐに良くなる。イカも見れるだろう
との真逆の回答。
それを聞いて死ぬほど安心する俺。

状況は変わっていないのに、情報を貰って一喜一憂している
これまでも楽なフィールド探しは無かったが、
今回もなかなかシビアな状況からのスタートみたい。

俺のフィールド調査はこれからだ!

パナマ到着。

渡英してからの2か月半はあっという間だった。
3か月半の野外調査に出発する自分に、
ルームメイトはカラオケパーティーで送り出してくれた。
まさか、ユーチューブでカラオケするとはね。
本当に破天荒な性格だが、この2か月は彼女にとても助けられた。

そして、巨大な荷物を持ってパナマに出発。
案の定、手荷物がデカすぎるとカウンターですぐに引っかかる。
ただ、なんとなくごねていたら、ただで巨大手荷物として扱ってくれた。

パリ、アトランタを経由してパナマシティー入り
パナマのトクメン空港を降りて、一泊し、国内のもう一つの空港に移動。
この間、タクシーを使用したのだが、運転手がファックという言葉を多用し、
クラックションも鳴らしまくり。
とても胡散臭いので、ぼったくられることも危惧したが、
そこに関しては普通の料金だった。
見た目では分からないものね。

でスミソニアン熱帯研究所に到着。
昨年、立て直したらしくとてもきれいな住居で一安心。
庭にはハキリアリが行列し、アリゲーターが散歩していた。

表紙のデザイン

以前の職場の同僚と、どのジャーナルの表紙がかっこいいか話したことがある。

基本的には科学雑誌の表紙は写真次第のところがあるからそこまで差はないのだが、
それでも微々たる差の中からどれがいいこれがいいと取り留めもなく話し合った。
当然、結局結論は出なかった。

ちなみに、自分はZoological Scienceが結構いいと思ったのだが、
同僚からは同意を得られなかった。
そう言われてから改めて見るとそんなにかっこいいわけでもないような気になってきた。

で、最近とてもかっこいい表紙のジャーナルを見つけた。しかも国内紙。

Geans to Cells

分子生物学会誌である。
日本の伝統芸術作品に生命科学のエッセンスを加えたデザイン。とてもおしゃれ。
絵というのだけでもすごいのだが、毎号違う表紙というのもまたすごい。

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プロフィール

HN:
Norico
年齢:
44
HP:
性別:
非公開
誕生日:
1980/08/19
自己紹介:
イカの行動生態学を研究しているポスドクです。

研究テーマは繁殖行動の進化・・・
ざっくり書くと、どんな雄がモテるのか、メスはどんな雄が好きなのかということを研究してます。

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