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NoriyosiBlog

イカの行動生態を研究しているポスドクのブログです。 調査や研究のこぼれ話からポスドクの生き様などを紹介できればいいなぁ。

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昼は豪勢に真鯛の刺身

本日の長崎は久々のどしゃぶりで朝から靴がずぶ濡れ
今年も梅雨のシーズンが到来したようだ。

じっとり濡れた靴下に気分が滅入ったが
学生が週末に釣り上げた70cmオーバーの真鯛をわざわざ捌いて昼に出してくれたのは
そういうのを吹き飛ばす中々にいいイベントだった。

料理を提供してくれる釣りキチほどいいものはない。
彼曰く、今の時期の真鯛は最も脂が乗っておいしいとの事。
6月になると、繁殖のために栄養が身から抜け落ちて急に水っぽくなるそうな。

そんな話が将太の寿司であったなと思いながら学食で舌鼓を打つのもなかなか乙なもの。
靴下さえ濡れていなければ
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汚れたアマモの理由

土曜、日曜とフィールド調査。
潜水中にちょっとした発見をしたので今回はそれをネタに。
自分の調査地は潮の流れがほとんどないとある内湾の沿岸部である。
底質は泥ということもあり、透明度は極めて悪い。

そこには海草の一種であるアマモが繁茂している。
毎回、このアマモが泥がビッシリこびりついていることが気になっていた。
泥で汚れた場所であっても、葉っぱに泥がこびりつくことなどあるだろうかという疑問はあったが、
特に深く考えることも無く、
まぁ、そういうものなのだろうと仕事に取り掛かるのが毎度のことだった。

さて、ヒメイカが住むアマモ場には、ワレカラやヨコエビなどの甲殻類も数多く生息する。

2週間前の調査でアマモの葉に産み付けられたイカの卵を採ってきた。
実体顕微鏡で数を数えていると、葉っぱに泥のようなトンネルを発見。
よく見るとその中にはヨコエビが隠れていた。


イカの卵塊に沿って出来たトンネルに隠れるヨコエビ

甲殻類研究者の同僚に話によると
ヨコエビは脚の先から粘液を出して巣を作るそうだ。

で、話は今回の調査に戻る。
潜水すると眼下に広がる広大なアマモの草原。
前回よりも背丈が高く、葉の密度も濃くなっていた。
毎度毎度植物の成長には驚くばかりだ。

前回同様、アマモには泥が棘状にびっしりこびりついている。
そこで、ヨコエビの話を思い出したのだ。

そうか、この汚れたアマモはすべてヨコエビの巣によるものなのだと。
合点がいって嬉しさを感じると共に、ここには異常な量のヨコエビが住んでいるのかと驚愕した。

昼に潜っている分には分からないが、おそらく夜はここが無数のヨコエビに覆われるのであろう。


ちょっとした発見に気をよくしたので、写真まで準備してみた。

久々の輪読会

Behavioural Responses to a Changing World:Mechanisms and Consequences

輪読会なんて何年ぶりだろう。
うちの研究室は二人のポスドク以下は修士2人、学部生1人という構成なので、
英語の本を読み回していくにはかなりきつい状況だが、
ボスも自分も同僚も輪読にチャレンジしてみたい気分だったので強行することに
そして、本日記念すべき第一回を迎えたわけだ。

行動生態の研究は産業に関係しないのはもちろんのこと、
普通に研究していると環境保全にすら関わってこない分野である。
地球温暖化とか多様性うんぬんなどと関係していると
なんというか、助成金の申請やビックプロジェクトへの参加の道も見えてくるが
そういうのがないのがこの分野のいいところでもあり、つらいところでもある。

そこをどうこうできないかというボスのナイススケベ根性とそれに力強く賛同するポスドクの思いによって選ばれたのが今回の本である。
幸いなことに、外部からもポスドク以上の若手研究者が数人参加してくれることになった。
とてもいい状況だ。

この本は17章に分かれているが、それぞれの章の長さが10ページくらいとあまり長くない、
つまり読みやすいところがいいポイントなのだが
本日の第一章は変化に対する応答について数理モデルで理解するという章であり、
この本の中で唯一数式があり、理解し説明するのになかなか骨の要る章だった。

担当したのは自分とのじゃんけんに負けた同僚だったが
統計などにも明るい彼だったからこそなんとかなった章だったといえる。
じゃんけんに負けていたら自分がこの章を担当していたかと思うとぞっとする。

学生はなかなか辛い感じだったが、論文紹介と違い、勉強会という雰囲気がよく出ていたので、
上々の滑り出しだったと言えるだろう。
それもこれも同僚の発表が良かったことに尽きるのだが。
そして、次の章を担当する自分はプレッシャー。

3歩進んで2歩下がる

ようやく結果が出揃ったと思って、考察部分の作成に取り掛かる
が、すぐにグラフが足りないということに気付き結果に戻る。
これを最近何度も繰り返して、なかなか前に進めない。

今月中には英文校閲に出したいところなんだがねー

村上春樹のレビューが面白い件

村上春樹さん新作はイカ臭い? とてつもないAmazonレビューに1万人が「参考になった」

村上春樹の本は1Q84しか読んだことは無いが、とてつもなくハマったのを覚えている。
しかし、じゃあ、これをきっかけに彼の著作を読んでみようというふうにはならなかった。
んで、このレビューを読んでちょっと合点がいった。

おしゃれなスタイルが体に浸透する状況に入れば何もかも面白い。
レビューで書かれているようにそこにはリアルな空気感というより、
ファッションのようなシャレオツな文章が続いている。
それを意識することなく、その世界感を受け入れることが出来れば
お洒落な村上ワールドの住人になれるのだろう。

こういう世界と無縁の、まさにこういう文章を嫌いそうな卑屈な自分が1Q84にハマったのは
マグロ漁船乗船中で暇つぶしがまったく無かったことも大いに関係しそうだ。
思い起こせば、最初は長ったらしい、説明の多い文章が嫌でしようがなかった。
だが、それしか読むものも無いので、一日一章読んでいったのが、
やがて火がつき、数日後にはラストまであっという間に読み進めたものだ。

しかし、再びあのような状態になれるかは正直疑問だ。
リアル感の無さを素直に受け入れることが出来る気がしない。

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プロフィール

HN:
Norico
年齢:
44
HP:
性別:
非公開
誕生日:
1980/08/19
自己紹介:
イカの行動生態学を研究しているポスドクです。

研究テーマは繁殖行動の進化・・・
ざっくり書くと、どんな雄がモテるのか、メスはどんな雄が好きなのかということを研究してます。

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