勝ち抜きたければ「迷わない人」と組んではいけない。
押井守のレヴューがとても面白かったので「マネーボール」を見る。
久しぶりの映画なので、テンションが上がって
無駄に、ポップコーンやコーラを購入してしまった。
んで、肝心の内容だが、解説通り確かに面白かったけれど
あんまりにも押井守の説明が良かった、というかネタバレしすぎていたので、
満足感はいまいちだった。ちょっと残念。
押井:だけどビリーはその話を断ってアスレチックスに残るわけ。このチームで勝ちたいんだ、って。「いまだにワールドシリーズ優勝に挑戦中」で終わるんだよ。勝ってないんです。
この辺がこの映画の面白いところなんだよね。最後にワールドシリーズに勝っちゃうのが少年ジャンプやアニメの世界。日本のスポーツものがダメなのは全国大会とか世界大会で勝つまで終われないからなんだよ。そうじゃない、大事なのは途中経過なんです。逆に言えば結果なんかどうだっていい。ビリーだってそう思ったからアスレチックスに残ったんだよ。
ここら辺はすごく共感する。
小説の「しこふんじゃった」は確か最後は優勝できないで終わる。
この終わり方がとても良かった。
映画版を見るとラストが優勝して終わるように変わっていた。
これが、とてもどっちらけで。
「スラムダンク」が名作である一つの理由としてラストの良さがあると思う。
たったの一年でぽっと出たチームが快進撃をするのはいいが、
それが優勝してしまうのはあまりにもだという気持ちはある。
読み返すほどに、あそこで負けるのがとてもしっくりしているように感じる。
そして、そのおかげで、他の連載漫画のように優勝するまで長々と引っ張ることが無かった。
ここら辺は、引っ張りすぎて見てられない最近の「はじめの一歩」が顕著だろう。