論文書きの息抜きに研究室の本棚にあった一冊を読んでいます。
いろいろな研究者と話していて時々思うのは、自分は研究の歴史等にとても疎いということです。
知っておくべき有名研究者の名前や研究の歴史上重要な研究機関、大学についての知識が非常に乏しい。
そんな僕ですが、研究者にまつわる面白いエピソードはその人が有名だろうが無名だろうが大好物です。
自分の専門であるイカについても、自分に関係する研究者しか名前を知らない僕ですが、
この本は結構、余談が多く、海外のイカ研究者の話がちょくちょく出てきます。
MoynihanやMessenger、Young等、名前や研究分野については知っていても
どういう人かまったく知らなかったりするがっくり研究者の僕には
彼らが何を成し遂げたのかという話はとても面白かった。
(反面、アマゾンのレビューを見ると、この余談について結構マイナスの意見が多かったようですね。)
余談についての感想しか言っていませんが、
メインが面白くないわけではありません。
サルやイルカといった頭脳が発達した動物と同様、
イカも自分自身の姿を認知できるのか確かめるために、鏡を見せる実験はとても面白い。
ただ、残念ながら、すでにシンポジウムでご一緒したときにお話を聞いていたものですから。
イカの一般書はすでにイカ界の巨人、奥谷先生が編集しているイカ本が何冊かあります
が、これらは一般書とはいっても、今一歩専門的な感じが抜けません。
複数人でいろいろな話を持ち寄っているため、紙面が限られるせいかもしれませんし、
一冊を一人で書きあげてるI先生の本のほうが、情熱の度合いが違うためかもしれません。
ここまで書いていながら、購入していないのは
イカ研究者的にどうかと思いますが、
そんな奴は僕だけじゃないよね。
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