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NoriyosiBlog

イカの行動生態を研究しているポスドクのブログです。 調査や研究のこぼれ話からポスドクの生き様などを紹介できればいいなぁ。

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ちょっとここらでイカの本

論文書きの息抜きに研究室の本棚にあった一冊を読んでいます。



いろいろな研究者と話していて時々思うのは、自分は研究の歴史等にとても疎いということです。
知っておくべき有名研究者の名前や研究の歴史上重要な研究機関、大学についての知識が非常に乏しい。
そんな僕ですが、研究者にまつわる面白いエピソードはその人が有名だろうが無名だろうが大好物です。

自分の専門であるイカについても、自分に関係する研究者しか名前を知らない僕ですが、
この本は結構、余談が多く、海外のイカ研究者の話がちょくちょく出てきます。
MoynihanやMessenger、Young等、名前や研究分野については知っていても
どういう人かまったく知らなかったりするがっくり研究者の僕には
彼らが何を成し遂げたのかという話はとても面白かった。
(反面、アマゾンのレビューを見ると、この余談について結構マイナスの意見が多かったようですね。)

余談についての感想しか言っていませんが、
メインが面白くないわけではありません。
サルやイルカといった頭脳が発達した動物と同様、
イカも自分自身の姿を認知できるのか確かめるために、鏡を見せる実験はとても面白い。
ただ、残念ながら、すでにシンポジウムでご一緒したときにお話を聞いていたものですから。

イカの一般書はすでにイカ界の巨人、奥谷先生が編集しているイカ本が何冊かあります





が、これらは一般書とはいっても、今一歩専門的な感じが抜けません。
複数人でいろいろな話を持ち寄っているため、紙面が限られるせいかもしれませんし、
一冊を一人で書きあげてるI先生の本のほうが、情熱の度合いが違うためかもしれません。

ここまで書いていながら、購入していないのは
イカ研究者的にどうかと思いますが、
そんな奴は僕だけじゃないよね。
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早くならんもんか、論文の書き方

論文を書くことは研究者の義務であり、最も重要な仕事と言ってもいいでしょう。
特に、若手研究者にとって論文数は将来を決める重要なファクターです。
今の時期は立て続けにポンポン論文を発表したいところ!
ですが、未だに論文をスムーズに書けません。
それなりに論文を発表してきたのですが、時間がかかってしまう。

一番の原因はやはり英語というところです。
日本語で思いついた文章を英語で上手く表現できない。
特に時間を費やすのが論文のオリジナリティをアピールするイントロダクションです。
どツボにはまると一日がんばったのに数行しか進まないということもザラです。
まあ、これは英語だけの問題ではないのでしょうが。

さて、僕の現在の論文作成方法は日本語で論文を書き上げてから、英文に直すというやり方です。
最初のころは大枠だけ日本語でまとめて英語でどんどん埋めていくというやり方でしたが、
そういうのは英語の熟練者だけに許された手法だということを何回かして気付きました。
というのは英語でいい文章が思いつかないから、似ている論文から抜き出しがちになるからです。
文章のつながりがおかしいし、そもそもパクリっぽい。
そして何より、そもそも日本語で言いたいことを完全に把握していない場合が多い。
当時の破滅的な原稿をチェックしてくれた指導教官と先輩はたいへんだったと思います。

そういうわけで、急がばまわれではないけれど、今は最初にしっかり日本語原稿を作っています。
論文書くのが早い人はやはり、英語でどんどん書いていくのでしょうか。
一度、エリート研究者の書き始めから投稿までの流れを見てみたい。
そんな映像、youtubeとかでないでしょうか。

イカの歳と心眼

イカには平衡石と呼ばれる、平衡感覚に関係する石が目の上にあります。
この石には一日に一本線が入っており、これを数えることで、イカの歳(日齢)が分かります。

でも、この計測が簡単なようで難しい。
平衡石は1、2mmの小さい物体であり、
その中に無数に入る線をカウントするためには生物顕微鏡が必要となってきます。
そして、ピントを少し動かすたびにこの線が1本になったり、2本になったりします。
さらにイカの歳を示す線とは関係の無い、紛らわしい線(その名も偽輪)もたくさんあります。
正確にカウントをするためには、とにかく何度も計測して目を養うしかありません。

そういうこともあってか、イカや魚の年齢、日齢を調べている研究者では
心眼を使うというフレーズは一般的です。

どれが正しい線か分からないという初心者への最終的なアドバイスは
心眼を使えの一言に尽きます。

こんなことを書くと、適当にカウントしろっていうことですかと勘違いされそうですが、
そうではなく、何度も見ていくとおのずと正しい線が分かっていくということを意味しています。
心眼使ったがいまいち自信がない場合は、心眼が使えていないのでやり直してください。

僕は6年ほど前にすでに心眼を習得済みなのですが、その後はこのチカラを使う機会に恵まれませんでした。
しかし、最近、久しぶりにイカの日齢を調べることに!
この封印されし心眼を開放するときが来たようだなぁ。


すっかりナマクラになっておりました。

お盆に鳴り響く爆竹

長崎は本日、精霊流しでした。

精霊流しってこうね、厳かにしんみりと死者の魂を弔う行事なのかなと勝手にイメージしていましたが、
どうやら灯篭流しと勘違いしてたみたいです。
まったく違うのね。

夕方から、そこかしこでけたたましく鳴り響く破裂音。
見ると、山車?を引いた人たちが道路を練り歩き、爆竹をばら撒いている姿が。
そして道路には大量の爆竹の残骸が。
どうやらこれが精霊流し。

聞いた話だと、中には爆竹を通り過ぎる車にぶつける悪い人もいるとか。
さらに、最後の方は爆竹があまるので、一気に火をつける人も多く、過激であるという話も。

精霊流しについて僕と同じような勘違いをしていた人は多いのでは?

ピッチャー投げました。打った~!

実況:これは大きい!入るかー!?入るかー!?入ったーーーーーー!!!
実況:逆転サヨナラリジェクトーーーーー!!!!

実況:9回裏、ツーアウトからの初球。編集者の一振りで、試合を決めました。
実況:ピッチャーマウンドに呆然と立ち尽くしています。これはショックが大きいか?

解説:そうですねー。ピッチャーここまで上手くゲームを組み立てていたんですがね~。
解説:4人の査読者も皆、好意的なコメントだったんで、これはアクセプトかなと思われたんですが
解説:最後のリバイスはちょっと甘く入ってしまったみたいですね~。

実況:放送席。放送席。ピッチャーからの談話が入ってきています。
実況:「最後の対応も細心の注意を払ったつもりだったが、上手く運ばれてしまった。心のどこかに隙があったのかもしれない」とのことです。

解説:マイナーレビジョンということで、試合がほぼ決ったかに思われたんですが、ピッチャー悔しいでしょうね~。
解説:気を落とさず、次の投稿に向けて心機一転がんばって欲しいです。

実況:そうですね。次に期待したいところです。
実況:それではこの辺でお別れです。





っていう感じでした。
やっちゃったZE!

対応ミスなんだろうなぁ。
9割査読者の指摘通りに直したんですが、編集者としては不満だったみたい。
今考えると、指摘された文章スタイルを変えないと主張するときも、
「自分としてはこっちのスタイルの方がいいんだけど、どう思いますか?」
っていう書き方にすれば良かったのかもしれません。

でも、編集者のコメントを読んでいくと、もっとスペシフィックな雑誌に出すべきと書かれていたので、
あんまりいい印象は持っていなかったのかも。

さて、どうするべか。


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プロフィール

HN:
Norico
年齢:
44
HP:
性別:
非公開
誕生日:
1980/08/19
自己紹介:
イカの行動生態学を研究しているポスドクです。

研究テーマは繁殖行動の進化・・・
ざっくり書くと、どんな雄がモテるのか、メスはどんな雄が好きなのかということを研究してます。

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